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    各作品の詳細な情報と楽曲解説です。

    委嘱:佐藤 采香 ユーフォニアム:佐藤 采香 箏:森 梓紗 ========== なごり・・・物事が終わった後に残っている気配。 元は【余波】と書き、「打ち寄せた波が引いたあと、なぎさのあちこちに海水・魚・海藻」や「風が静まったあとも、しばらく波が静まらないこと」を指したそうだ。 そして、「名残りの花」とは、散り残った桜を言い表した言葉。それはとても切なく、美しいものだと思う。上代も、今も、人類が滅んだのちも訳もなく、静かに散り損ねた桜。 わたしたちにも、残花のように不思議と忘れられない記憶がある。 恋人と交わした言葉。商店街のお店。公園のブランコの冷たさと軋み。朝焼け...
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    June 29, 2025
    Commissioned by Music From Japan World Premier: Music From Japan 50th Anniversary Festival 2025 New York “CURRENT SOUNDS JAPAN V” Victor Borge Hall, Scandinavia House, NYC, America [Instrumentation] Flute (doubling Slide Whistle in mov.1, Bass Flute in mov.3) Violin Violoncello Piano ...
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    「武蔵野音楽大学ウィンドアンサンブル演奏会」 2024年12月9日(月)武蔵野音楽大学ベートーヴェンホール 指揮:飯森範親 演奏:武蔵野音楽大学ウインドアンサンブル 宵闇を彩る蛍、極彩色の花火、つんざく蝉の声、みずみずしい朝顔... 夏というのは非常にノスタルジックな季節だと思う。 遠い記憶は心の奥底に強く焼きついているはずなのに、 思い出そうとすればするほど泡沫のごとく消え失せる。 そして、脆く、儚い記憶は混濁し、ありもしなかった幻想的な夏の風景が立ち上る- Musashino Academia Musicae Wind Enseble Concert 2024...
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    委嘱:芬の集(長谷由香・細川喬弘・清原晏) 初演:2024年10月13日(王子ホール、東京) 今回新しい箏合奏曲を、ということでいただいた委嘱は、「サウナをテーマに曲を書いてください!」とのことだった。驚いた。聞けば、3人とも筋金入りのサウナーで、日々修行(?)を積んでいるらしい。 わたしも3人には及ばないが、サウナに集うものの一人である。その魅力は、メリハリにあると思う。サウナ室と水風呂の温度差、密室での灼熱と静謐な外気浴。ここには緊張と弛緩、あるいは抑圧と解放の往復運動がある。今回の楽曲では、そのリズミカルな運動よろしく、リズム・モチーフに導かれ、エネルギーが増大し、頂点に達した...
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