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    各作品の詳細な情報と楽曲解説です。

    April 29, 2026
    数年前から、私を惹きつけてやまない風景がある。 草花の咲く静かな波打ち際。なぎさ。みぎわ。海と砂浜と緑がゆるやかに混ざり合い、境目は曖昧にほどけてゆく。波に洗われる洲に植物が根を張り、そこには明るさとさびしさが佇んでいる。 このたび、マエストロから尺八とハープのための小品を、とのお声がけをいただいた。あまり類を見ない編成に思い巡らせていたとき、笛と弦といえば、武満徹にアルト・フルートとギターのための作品があったことを思い出した。しかも、その題は《海へ》。この奇妙で美しい縁に導かれるようにして、私はみぎわの風景への断想を、武満作品へのごく私的な応答として書くことにした。 本作で...
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    【世界初演】 Dozan Fujiwara 25th Anniversary Concert 藤原道山 オーケストラ・尺八アンサンブルと共に 〜山田和樹、藝大フィルハーモニア管弦楽団を迎えて〜 2025年11月30日(日)東京藝術大学奏楽堂 藤原道山(尺八)・山田和樹(指揮)・藝大フィルハーモニア管弦楽団 藤原道山は、現代の邦楽界において稀有な存在である。伝統的な尺八が纏ってきた「修行的な厳しさ」や「土臭さ」に一元的に回収されることなく、静謐で澄んだ響きから超絶的な技巧までを自在に操る。しかもその両極を軽やかに行き来し、ときに舞うように響きを解き放つ姿には、凄みとエレ...
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    January 31, 2026
    委嘱:上野浩子 初演:ウエノヒロコ 箏コンサート(ふきのとうホール、2023 年 5 月 21 日) ■編成:箏独奏 ■演奏時間:10分30秒 [曲解説] 六花(りっか)、雪の別名。 本楽曲は 2 楽章から構成される。 1 楽章:冷たく鋭い響きと淡く溶けゆく雪の対比。 2 楽章:徐々に姿を表す雪の結晶。
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    January 28, 2026
    演奏時間/約8分50秒 委嘱/和歌山県立橋本高等学校邦楽部 ======= 子どもの頃、夕立が嫌だった。雷は怖いし、遊ぶのを邪魔されるような気がした。 その嫌な気持ちはいつ頃小さくなっていったんだろう。 夕立はこの世界が一変する出来事だと思う。雷雨が景色を包み込み、その場所を自分たちが知らない景色へと変貌させる。そして、暑気が払われ、夕暮れの涼しさが残る。ひぐらしの鳴き声、ジリジリとした暑さの旧世界的な余韻。さっきまでいた世界とは違う新しい場所だ。 漫然と続くと思った世界が揺り動かされ、にわかに訪れる雨の世界。それは泡沫で、とこしえの祝祭。恵みの雨。渇きを癒す歓喜のスコール。路地裏を...
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